以前から、カナダ・オンタリオ州の医療現場では「人手不足」が大きな問題として取り上げられていました。
その一方で、最近よく聞くのは、ナースや介護士(PSW)のポジション削減(Job Cuts)という、矛盾した現象です。
ナースや介護士だけの職業に限らず、他の職業でも人員削減のニュースをよく聞くから、「またかぁ。」って思ってしまいます。

実際に起きている「人員削減」

2025年以降、オンタリオ州ではすでに700以上の看護師・医療職のポジションが削減されているそうです。
さらに深刻なのは、今後の予測です。
報告によると、2027〜2028年までに:
- 州全体で約9,000人の看護師・PSWが減少する可能性
つまり、「人が足りない」と言われているのに「人を減らしている」という状況が起きています。
参考ウェブサイト:Ontario Nurses’ Association、 OCHU・CUPE
なぜJOB CUTが起きているのか?

なぜ、Job Cutsが起きているのか調べてみると、主な理由は以下の3つになるようです。
① 医療予算の抑制(Underfunding)
オンタリオ州政府は医療費の増加を抑える方針を取っていて、病院にはコスト削減のプレッシャーがかかっています。
その結果、空きポジションの削減、退職者の補充なしなどの状況が進んでいます。
私の職場でも余分なポジジョンを徐々に取り除いています。
Ontario Nurses’ Association – Underfunding & Understaffing
② 医療の「効率化」とスキルミックス
一部の病院では、RN(正看護師)を減らし、RPNやPSWを増やす動きもあります。
同僚からも、ある病院では、RN (正看護師)を削減し、代わりにRPN (准看護師)を増員しているという話を聞いた事があります。
これもコスト削減を考えた上での対策ですが、ケアの質を考えると良いのだろうかと思ったりします。
参考ウェブサイト:Ontario Health Coalition
③ 民営化(Privatization)の流れ
労働組合などは、オンタリオ州政府から資金が民間医療クリニックへ増加されたことで、民間医療の拡大を進めていると批判しています。
参考ウェブサイト:Expansion of Private health-care clinics
現場への影響
Job Cutsは単なる雇用問題ではないように思えます。
Job Cutsをする事により、今まで以上に患者さん達への影響、また医療関係者への影響がでてきます。
患者側への影響
- 待ち時間の長期化(ERで16〜23時間待ちなど)
- 手術の遅れ
- 廊下での医療の増加
医療従事者への影響
- 過重労働
- バーンアウト(燃え尽き)
- 離職・海外流出
さいごに
これからオンタリオ州の医療現場は、どうなるのでしょうか?
長年働いていた同僚達曰く、実は過去に一度解雇された事もあったそうです。
かなりのスタッフが解雇され、やはりそれではやっていけないという事が分かり、その後また雇われたとか、、、。
とにかく、これからナースや介護士になる人達にとっては、フルタイムポジションで働く事が難しくなり、また仕事の量も増加する傾向になりそうです。
最後まで読んで頂いて、ありがとうございました。

