私のフロアは落ち着いてきて、来週くらいにはアウトブレイクが収束しそうです。
39人の患者さん達、5人程の方々を除いて、全ての患者さん達に感染。
患者さん達以外では、働いているスタッフや患者さんの娘さんにも感染。
やはり認知症のフロアにウィルスが持ち込まれると、山火事のように広がってしまいます。
新型コロナウィルスの場合10日間の隔離が必要とされるのですが、認知症の患者さん達が自分の部屋から一歩も出ないっていう事は、不可能です。
すぐに部屋から出てきて、ウロウロと歩き回ってしまいます。汗。
現在のアウトブレイクは、なんと5ヶ所
1番初めに始まったフロアでは、アウトブレイクが収束しました。
そして、私のフロアのアウトブレイクでも収束しそうですが、実は他3つのフロアでも、新型コロナウィルスのアウトブレイクが始まってしまいました。汗。
そして、この合計4つのフロアの新型コロナウィルスに加えて、もう1つのフロアでは、なんとライノウィルスのアウトブレイク。
そうなんです。現在、合計5つのフロアで、アウトブレイク中です。汗。
こんな感じなので、老人ホームでは、まだまだ新型コロナウィルスは猛威を奮っている感じがします。
亡くなった患者Gさんの思い出
アウトブレイク中、新型コロナウィルスに感染した為、亡くなった患者さん達。または感染してなかったけど、亡くなった患者さん達。
どちらにしても、それぞれ亡くなった患者さん達の思い出話は、沢山あります。
そんな患者さん達の中で、私にとって、思い出に残っているのは、患者Gさんかもしれません。
患者Gさんのセレブのような人生
とてもカッコイイ人生だなぁと思いました。
自分で会社を設立して、プライベートジェットまで購入して、頻繁にアメリカまで操縦したとか、、、。
私からみると、まるでセレブの世界です。
ピアノが弾ける
職場にあったダイニングルームの片隅でポツンと置かれていたピアノ。
気が向けば、患者Gさんが、そのピアノで何曲もの曲を弾いてくれました。
患者Gさんによって、ピアノは生き返ったようでした。
また、そんなピアノを弾いている患者Gさんの姿をみて、「私もピアノが弾きたい‼︎」という気持ちで一杯になりました。
旦那が電子ピアノを購入してくれて、患者Gさんのおかげで、私もピアノが弾けるようになりました。
感謝、感謝です。
患者Gさんの娘さんとの会話
患者Gさんの娘さんが、患者Gさんの遺品を片付けに来た時に、ピアノの話をしました。
涙ぐんでいた娘さんの顔に、少し笑顔が戻った瞬間でした。
I’m sorry for your loss….by the way, your father inspired me to play piano. (心よりお悔やみ申し上げます。ところで、あなたのお父さんが私にピアノを弾くキッカケを作ってくれたのです。)
Really? It is nice to hear.
I play piano too. Keep playing piano, okay?(そうなの? そんな事が聞けて嬉しいわ。私もピアノを弾くのよ。これからもピアノを弾き続けてね。)
患者Gさんの脱走事件
患者Gさんの事で、よく話に出るのは「脱走事件」。
常にどうやったら脱走出来るのか考えていた人なので、目が離せませんでした。
そして、そんな脱走計画が上手くいって、実際脱走した事もあるから、ビックリです。
脱走した時、外を歩いていた人が「なんだか様子が変だなぁ。」と思っていて、患者Gさんと話をしていたら、探していたスタッフと遭遇して連れ戻されたのです。
無事に戻ってきて良かったです。
さいごに
亡くなった患者さん達の事を思うと、悲しくもなる事もありますが、、、。
きっと、天国で、楽しく自由にやってるのではないかと思います。
患者さん達が亡くなると同時に、今まで元気な顔を見せてくれていた家族の人達にも会えなくなります。
入居当時は、患者さん達の事を思ってか、色々と要求してきたり、中には辛くあたってくる家族の人達もいます。
でも、最後には「色々とお世話になったね。本当にありがとうね。」と、涙声でスタッフに話しかけてくれます。
そんな時の気持ちは、感慨無量。
やっぱり、こうやって、ナースとして働いてきて良かったなぁと思います。
最後まで読んで頂いて、ありがとうございました。